私の暮らしかたLog

学び、遊び、育むLog=記録が、暮らしの案内書き(Catalog)にもなっていく日々の覚書き。

『魂の退社』を読んで

朝日新聞社論説委員、アフロヘアでお馴染みの稲垣えみ子さんが書かれた、退社までのご自身の心の歩みや価値観の変化を綴られた一冊です。

 

時折、ふっと噴き出してしまうような笑いを誘う軽妙な語り口もありながら、現在組織に属さず無職の主婦である自分としては、どこか励まされたような気持ちにもなりました。

稲垣さんは、あくまでご自身の「退社」という経験を通じて感じられた、無所属の寄る辺なさと共に、しかし組織に依存しない自由を存分に味わえる、また違うステージへ、価値観も暮らし方も移られている様子を率直に綴られているのだと思いますが、それが自分の軸を持って立つ人生へのエールにも感じられました。

 

会社社会の日本における「会社組織とは何ぞや?」ということを、読者にも考えるきっかけとなるように、あえて退職ではなく退社と表現されているのでしょうか。

会社を離れて、改めて仕事について稲垣さんは考えたこととして、こう表現されています。

 

『仕事とは、突き詰めて言えば、会社に入ることでも、お金をもらうことでもないと思うのです。他人を喜ばせたり、助けたりすること。つまり人のために何かをすること。』(195頁)

 

自分を社会の中で「どんな風に役立たせることができるか」を、私自身も

考え続けていますが、確かに仕事が「人のために何かをすること」だとすると、それには色んな形、色んな仕事があるはずです。

 

自分の魂がよろこぶような仕事ができることが、最高に幸せなことのひとつかもしれません。